この想いを君に… −あの場所へ−

しばらくして、呼吸が戻り、意識も回復したそーちゃん。

「…部屋の手配、出来ますか?」

学くんが結局、病院と交渉してくれた。

「このまま家でもいいですけど、後が厄介だし。
手配出来るならしてください。
出来次第、連絡もらえます?」

昨日、あんなに人を笑わせていた学くんは別人のようにテキパキ動いていた。



「パパは?」

玄関のドアが開いたかと思うとむっちゃんがバタバタ、と入ってきた。

案外早いな、と思ったら先生が車で送ってくれたらしい。

外に出てお礼を言うと、先生は私の肩を叩いて励ましてくれた。

…むっちゃんの担任は私の高校の時の担任。

過去を知っていてまた、こんな事になった私を抱きしめてくれた。



泣きそうになるのを抑えるのに必死だった。