「…大丈夫なの?」

思わず学さんに聞いた。

「うん、少し眠っただけ」

学さんは車椅子に乗ったまま眠るそーちゃんにタオルケットを掛けた。

「昨日の夜もほとんど寝てない。
眠くなって当たり前や」

学さんも寝不足なのに平気な様子でそーちゃんを見つめている。



今日は絶対に勝たないとな。



そーちゃんにとってはこれが最後だろう。

今まで育ててくれた恩返しは結果、それしかない。