「あっ!」

光が叫んだ。

下位を走行していた1台が転倒。

「オイル…漏れてなかったらいいけど」

祥太郎も心配そうにモニターを見る。

でも、詳細はわからない。

光は大きく息を吐いた。

あまりにも激しいトップ争いにハラハラする。

ふと、総一を見ると楽しそうにコースを見つめていた。

でも、呼吸が苦しそうで時折顔を歪めている。

学がすぐ隣についているとはいえ、心配だ。



トップの3人がグランドスタンドを通過する度に地響きのような歓声がスタンドから聞こえる。



「あいつら、凄いなあ…」

祥太郎は驚きの声を上げた。

全ての観客を注目させるくらいのバトルがここ何周も展開されていて、大興奮の渦が巻いているように見える。



あと、2周。