「本当にありがとうございます」

光くんの友達、学くんに頭を下げると

「ええよ、知らん仲じゃないし」

学くんは光くんが現役の時、大阪から近い鈴鹿や岡山のサーキットに来てくれていた。

光くんの一番の友達。

「ただね…」

ベッドの上で眠りについたそーちゃんを見て学くんは辛そうな顔をした。

「俺の所見では…」

私は俯く。

「この一週間から二週間。
今、ここにいる事自体が凄い事やで」

うん、わかってる。

主治医には…反対された。

「…でも、みんなの想いを知ってる。
俺も出来る限りの事をするし、万が一があればこっちの医者で知り合いがおるからいつでも対応出来るから」