この想いを君に… −あの場所へ−

「…お父さん」

智道の、空気読めっていう表情はここにいる誰もが思っているだろう。



池田さん…



「病気って聞いたけど、そんなに酷いの?」

パパは躊躇いの目を池田さんに向けた。

「見ての通り」

一瞬だけ。

パパの発音が綺麗に聞こえてあたしは驚いた。

目を見開いてパパを見る。

パパは少しいらついた表情を浮かべながら池田さんを見つめた。