「光」

総一さんは完全に目が覚めたらしく、指先で何とかボタンを押してベッドを起こした。

「みんなは上手くやってる?」

店の事が心配らしい。

「うん、まあまあかな」

そう言うと少しだけ微笑んで頷いた。

「8月まで…調整出来そう?」

総一さんの目に一瞬、力がみなぎった気がした。

「調整出来へん、なんか俺は言わん。
絶対に仕上げる。
もちろんライダーもみんな仕上げてもらう」

「なら、安心」

体がだるいのか上半身を起こしたまま、総一さんは目を閉じた。

白い顔がますます白くなっている。

何とも言えん感情が俺を襲う。