この想いを君に… −あの場所へ−

「…えー、それじゃ意味がない」

知樹はブーイング交じりに言った。

「パパとママの二人の時間を作るんだよ」

あたしはみんなの顔を見つめる。

「一緒に行って、ほんの一瞬だけでいいから二人だけにさせるの。
ね、それなら大丈夫でしょ?パパ!」

パパは仕方ないなあ、っていう表情をしながら頷いた。