「…聞いちゃったね」

そーっと3人は階段を上がって知樹の部屋に集まった。

たまたま3人、キッチンへお菓子でも取りに行こうとして、リビングの前で立ち止まった。



立ち聞きするつもりはなかった。

でも、パパがあんな風に話をしているのを3人共初めて聞いた。



「パパ、ママの事が本当に好きなんだね」

泰樹は微笑んだ。

「ママの方がパパに惚れてるって思ってたのにな」

知樹が腕組みしながら何やら考えている。

「でも…羨ましい」

桜は夢見る乙女の目をして

「私もあんな風に想い合いたい」

「それは桜次第だよ!」

知樹は苦笑いをしながら桜の額を突いた。