「治療は手術しかないですね。」

医師がさっき撮ったレントゲンを見て、あからさまに眉を曲げた。その表情で私は絶望の淵に立たされた。


11月中旬のまるで真冬のように寒いある日。
私は希望を失った。

「もっと酷い方たくさんいますが、見てください。ここ50度ありますね、手術を行うボーダーラインが50度以上なんです。」

淡々と述べる医師。
私はきゅっと下唇を噛んだ。

私の病名は脊柱側彎症。字の如く脊柱、背骨が湾曲する病気。

前から、非対称の腰に違和感を覚えていた。みんなはどうして対称なんだろう。なにか特別なことをしてるのかな?
そんな今考えればありえない疑問。私はその背骨で育ったからか、曲がっている、対称でない腰が当たり前だった。