砂のお城を作ろう

螺旋階段の先に大きな門
時計塔 バルコニー
中庭だってあるんだよ


水で固めた土をかき集める
城が崩れてしまわないように

小さな手が礎に力を込める
城が朽ちてしまわないように


夕焼けの浜辺 建設中の砂の城
そっとドア叩いた訪問者
優しく滲んで消えた

どうしてくずれるの?
泣いた僕
君は答えずに城を築く
指先が震えてたね
気付いてたよ

漂う感情 確かな温度

波が攫うのを僕らは知ってる
城がいつか朽ちるのも


それでも

僕が居て 君が居た
誰かが居たいと願ってた
広い世界に城を作ろう

僕ら 何度も作ってきた
消えない黄金の城

繋がってた 確かに在った
晴れた霧の中にいくつもの光


つめたい城が
あたたかかった