gloom of the prince〜恋する研究室〜

「3年生、いなくなっちゃいましたね。」


シゲが俺も思っていたことを呟く。


「だな。歓迎会なのに。」

「いいじゃないですか。そのうち帰ってきますよ。」


すごく嬉しそうに南さんが言う。


「すみませーん、ビール!」


橘、まだ飲むのか?

お前、目が据わってるぞ。

と、思うが言わない。

基本的に俺は放任主義だから。


「川崎さん、何か食べます?」

「いや、もういい。」

「そうですか……。」


寂しそうに南さんが言う。

そんな顔するなよ。

何か、俺がいじめてるみたいだろ。


「あの、僕、心配なんで見てきますね。」


とうとう、シゲまで席を外してしまった。

俺はどうすりゃいいんだ?