「あー疲れた」


店員のお姉さんが水をおいた瞬間ミっくんはすぐに手を伸ばし、今の季節には似合わない冷たい水を一気に飲み干した。


「ったくよー、何で俺まで歩かなきゃいけねぇんだよ」


そう言って、文句をたれるミっくん。

バイクに乗っていた二人を無理矢理おろし、私達はここまで一緒に歩いて来た。


「だって、三ケツとかまじ無理だし。嫁入り前の娘に傷つける気?」


私の言葉におとなしくなるミっくんを見て、めずらしくトシが笑う。


「おまっ…笑ってんなよ!」


あまりにもトシが笑うから、思わず私もつられて笑ってしまった。

そんな私達を見て"ごゆっくり"と言うお姉さんの後ろ姿に、ふと先輩の顔がよぎる。