佳祐に何があったのかは知らないし、聞こうとも思わないけど。

それでもこんな時に私を呼んでくれた事が、ただ嬉しかったんだ。


「私は、佳祐の為ならいつでもどこでも飛んで来るよ」

「絵里…」

「すぐに会いに来る」


そう言って笑うと、佳祐は優しく私を抱き寄せた。


「ごめんな…まじでごめん」


その"ごめん"の意味は、わからなかったけど。

佳祐があまりにも優しく抱きしめてくるから、私は言いたい言葉を飲み込んだんだ。

こんなに綺麗な星空の下、どうかこのまま時間が止まって欲しいって、本気で思った。

この温もりを独り占めしたまま、ずっと離れないでいたい。

抱きしめられた腕の中で、一人そう願ったんだ。