駅に着いた私は、辺りを見回す。

あまりにも久しぶりに会うせいか、胸の高鳴りは尋常じゃない。


早く逢いたい。


そう思う気持ちが、自然と私を笑顔にさせる。


「一人で笑ってんなよ、変人」


待ちわびた声に振り向くと、そこには少し髪が伸びた彼が立っていた。


「佳祐」

「久しぶり」


色んな想いが溢れて、泣きそうになる。


「飯でも食い行くか」


そう言って頭を撫でる佳祐の手は、相変わらず優しかった。


「逢いたかった…っ」


たまらず呟いた言葉は、涙と一緒に零れ落ちる。


「絵里…」


一度流れた涙は、溢れるばかり。

さえぎられた視界の先は、愛しい佳祐の腕だった。