結局佳祐とは会えないまま、時間だけがただ過ぎていく。


佳祐を好きになってから、日常生活のあらゆる事が変化した。


寝てばかりだった授業もちゃんと聞くようになったし、今は言葉使い一つでさえ気を遣うようになった。

佳祐も授業中かなとか、今何してるかなとか。

私のリアルタイム全てが、佳祐に辿り着く道になっていたんだ。


佳祐には私から連絡する事もなければ、くる事もなくて。

でも、どこかで期待していた。


"また連絡する"


電話を切る時、確かにそう言った佳祐からの連絡を。


求めた先には何もない事なんて、十分わかっているのに。

それでも私は、佳祐から連絡がくる事を期待していたんだ。