なんて事ないその言葉に、なぜか助けられた気がする私。


「そうだよね」


何もなかったかのように、私は笑ってシュンくんの言葉に便乗した。


「ごめん、私ちょっとトイレ行ってくるね」


それでもやっぱりこの空間には居づらくて、結局一番先にその場から逃げ出した。


「はぁー…」


女子トイレの扉を開け、ため息をつく。

鏡にうつる自分の顔はあまりにも悲しげで、思わず泣きそうになった。

ガチャっと扉が開き、ハっと振り返る。


「絵里奈」


心配そうな顔で私の名前を呼ぶ親友の姿が、涙を誘う。


「マリ…」


どうしようもなくて抱きついた私を、彼女は優しく抱きしめ返してくれた。