ねぇ、神様。

巡り逢う運命を知っていたのは、あなただけだったかな?


知らない時間に流れた季節さえ、壊せなかった想い。


私はまだ、少し先の出逢いを知らないでいた。



−−−−−……



「あがれる?」


コートを羽織りながら、アヤカさんに声をかけられる。


「大丈夫ですよ」


今日は、シュウさんとの約束の日。

タイムカードを押し、私達は会社を出た。

外に出ると、冷たい風が頬を撫でる。

吐き出す息は白く、私は思わずアヤカさんの腕に身を寄せる。

12月に入った昨日から、街のイルミネーションは輝きを増した。


「時間が過ぎるのは、早いね」


並木道の下で、彼女はそう言って笑う。