「私補習だったのに、サボっちゃったし」

『今、どこっすか?』

「…駅前のロータリー」


アツシは"そこにいて下さい"と言い、電話を切った。

多分、今から来てくれるんだろう。


こんな風に誰かに頼る事でしか、寂しさを紛らわす事が出来ないなんて。


そんな自分が、情けなかった。

シュンくんの気持ちは、いつから離れていたのかな。

気がついたら、私の方が好きになり過ぎてて。

シュンくんを知らなかった頃に、もう戻れないでいた。


「絵里奈さん!」


あれから少し時間が経った頃、俯く私に息を切らし声をかけてきたアツシ。

その姿にホっとしたのは、同じように泣きそうな顔をしていたからだった。