スイートポテトって…私はそんなの作ってないよ。


もう、少しの期待も残っていないんだね。


シュンくんの部屋の前に着くと、中からは楽しげな声が響いた。

私は、意を決して扉を開ける。





「絵里奈ちゃ…っ」





いっそ、夢だったらいいのに。


「ねぇ、どーいう事?」


目の前の現実に、逃げ出してしまいたかった。


「いや、これは…」


動揺を隠せないでいるシュンくんと、驚きながらも勝ち誇った顔を見せるミサキちゃん。

扉を開けた先にいたのは、私じゃない女と仲良く寄り添いながらDVDを見ている、大好きな彼氏だった。

テーブルに置かれたスイートポテトに、さっきのお兄さんの言葉が繋がる。