話が全然わからなくて、私はただただ立ち尽くしてしまった。


「今から話す事、聞いてくれませんか?」


アツシは、そう言って私を見上げる。

嫌な予感しかしなかった。

いい話じゃない事なんて、今の状況とアツシの顔を見れば、すぐにわかる事。


「…何?てか、とりあえず座ってよ」


ベンチに並んで座ると、アツシが重い口を開いた。


「俺、ミサキの事好きなんです」


何を言い出すのかと思ったけれど、アツシがあまりにも真剣に話すから、私はとりあえず何も言わずアツシの話に耳を傾ける。


「だけど知っての通り、ミサキはシュン先輩の事が好きで」


苦しそうな顔で話すアツシに、私まで苦しくなる。