『ミツル先輩に、番号聞いたんすけど…』

「どうしたの?何かあった?」


問い掛けに答えないアツシに、もう一度声をかける。


「もしもし、アツシ?」

『すいません…今から、少し時間作れたりしますか?』


泣いているのか、泣きそうなのか。

とにかく、電話越しにアツシの不安を感じた。


「うん、いいよ。今どこにいんの?」

『前にサッカーした、公園です』


ちょうど隣町に来ていたから、その公園ならここからすぐ近くだ。


「今私も近くにいるから、ちょっと待ってて」


"すぐ行くから"と電話を切り、私は急ぎ足で公園に向かう。

公園の前に着くと、入口にアツシの原付きが停まっていた。