佳祐は、煙りを吐き出しながら、手をあげる。


「じゃあね」


背中を向けられて寂しくなっている私は、本当に何もかもが矛盾していた。

シュンくんが好きなのに、佳祐に会ったら気持ちが揺れてしまう。


本当に、最低な女だ。


佳祐と別れた後、気晴らしに買い物をしようと、隣町まで出かけた。

ちょうど駅に着いた頃、鞄の中で携帯が鳴り響く。

表示されたのは、知らない番号。

私は不信に思いながらも、通話ボタンを押す。


「はい」

『あ、もしもし。絵里奈さん?』


聞き覚えのある声に、確信を求める。


「誰?」

『アツシです。突然すいません…』


そう、着信の相手はアツシだった。