汗ばんでいた肌に、夜風が気持ち良く吹き付ける。

佳祐の運転は私を乗せてるせいか、やけに丁寧で優しかった。


「着いたぞ」


しばらく走ったあと、彼はそう言って単車を停めた。


「ありがとう」


お礼を言い単車からおりる。


「ねぇ…」

「何?」

「とれない」

「何でだよ」


固定するベルトがはずせずヘルメットがとれない私は、佳祐に助けを求める。


「だってまじでとれないんだもん。助けて」

「はぁ?」

「お願い」

「…ったくよー」


めんどくさそうな顔をしながらも、佳祐は私のヘルメットをはずしてくれた。