「どこ行きてぇ?」


佳祐はそう言って、私が手に持っていたヘルメットをとり私の頭にかぶせた。


「ゲーセン」

「…は?ゲーセン?」

「うん」

「何でゲーセン?」

「えー、何でも」


佳祐は"何でだよ"と笑いながら、私の頭をヘルメット越しにポンっと叩く。


「とりあえず行くか」

「落ちない?」

「そりゃわかんねぇな」

「いやいや…お願いしますよ」

「わかったから早く乗れって」


言われるがままに単車にまたがり、佳祐の腰に腕をまわす。


「離すなよ」

「一生離さない」

「バーカ」


ハっと笑い、佳祐は単車を走らせた。