「特別なんだ、チカは」


幼なじみで、小さい頃から一緒だった二人。

トシは、ずっとチカが好きだったけど、時が過ぎるにつれ、言えなくなったと言う。


「付き合いてぇとか、もうそーゆうんじゃなくてさ」


"大事なんだ"と、柔らかい顔でそう言った。


「トシ…」

「絵里奈ちゃんの話聞いた時、ちょっと自分にだぶっちゃったんだよな」


苦笑いしながら、タバコの灰を落とす。


「チカに、伝えないの?」


その問い掛けに"俺、プライド高いから"と言って、トシは笑った。


「チカとミツルが上手くいってる事が、俺の頑張れる理由なんだよ」

「頑張れる…理由?」

「俺も負けてられねぇ、みたいな?」