風に揺れる栗色の髪。

柔らかい笑顔と、人懐っこい性格。

優しい声に、愛らしい顔立ち。


彼女の存在全てが、羨ましくて仕方なかった。

先輩は、まるで太陽みたいな人で。

だから、佳祐が先輩を好きな理由は十分な位わかる。

そして、先輩が佳祐を好きな理由も、嫌って位わかるんだ。


ユキ先輩を思い出したら、何だか胸が苦しくなった。

好きなのに、私の憧れなのに、それでも佳祐への想いの方が断然多くて、思えば思う程、自分が嫌な女になっていく気がしたから。


「私、本当嫌な女だわ」


そう小さく呟く私に"そんな事ねぇよ"と、佳祐は笑ってくれた。


「最後に絵里にメールした日、覚えてる?」