「お前、毎日暇人だなぁ」


そう言ってバカにしたように笑うミっくんに遭遇するのは、今日で何日目だろうか。


「だって、チカもシュンくんもバイトなんだもん」


私は少しふて腐れながら、街並みへと視線を逸らす。


「ナンパ待ちでもしてんの?」

「はぁ?違うし。黄昏れてんの」


春休みに入り、またもや暇を持て余している私は地元のロータリーにいた。


「てか、ミっくんこそ毎日何してんの?」

「俺?トシと待ち合わせ」

「何だ、自分も暇人じゃん」

「俺はトシと約束してんだから、暇人じゃねぇよ」

「あっそ」


そんなくだらない会話をしていると、バイクにまたがるトシが見えた。