「元気だった?」


私の顔を覗き込む先輩は、今日も優しい顔をしている。


ユキ先輩の事があってから、私はアケミ先輩を一方的に避けていた。

何か言われるんじゃないかって、正直ビビってたんだ。

アケミ先輩はケンカも強くて綺麗で、私はユキ先輩と同じ位憧れていた。


「あんたさ、私の事までシカトしないでよ」


そう言って私の頭をパシっと軽く叩くと、どこか寂しそうな顔で笑う。


「すいません」

「色々あったらしいね」


先輩のその言葉に、久しぶりに涙が出た。


好きな人に出会えた事。

ユキ先輩と出会えた事。

そして好きな人の好きな人が、佳祐とユキ先輩だった事。

全部を話した。