冬休みも終わり、また新しい学期が始まる。

もうすぐ三年生は卒業…つまり、ユキ先輩と顔を合わせるのもあと少し。


何とも言えない気分が、私を憂鬱にさせるんだ。


そんな事を考えながら一人屋上で寝転び空を見上げていると、どこからか私を呼ぶ声が聞こえた。


「絵里奈」


起き上がり声の主を確認した私は、少し驚いて眉をあげる。


「屋上で昼寝するには、まだちょっと寒すぎでしょ」


普段はクールな彼女が見せる笑顔に、私は戸惑う。


「アケミ先輩」

「久しぶりだね」


私は、深く頭を下げる。

この人も、私を可愛がってくれた先輩の一人だ。


「隣いい?」


と、先輩は静かに腰をおろす。