「好きすぎてかな」


そう言ってミっくんとの事を話す彼女は、優しい顔をしていた。


「好きすぎて、別れちゃう事なんてあるの?」


私の言葉に、変わらない優しい顔で答える。


「全部欲しくて、独占しすぎたの。そんな私と一緒にいる事にミツルは疲れちゃったんだと思う」


人にはそれぞれ愛し方があって、でもその全部が幸せとは限らないと彼女は言う。


「今も、普通に仲は良いよ」

「そうなの?」

「うん。でも、友達ってわけじゃないよ」


"私は好きだし"とチカは呟く。


「じゃあ、私も佳祐とは友達になれないな」

「何で?」

「私も好きだから」


そう言って笑う私に、チカも目を細めた。