「ありがとね」


散々遊んだ後、家まで送ってくれたみんなに頭を下げる。


「また遊ぼうな」


シュンくんが、優しく笑う。


「うん、本当ありがとう」

「おい、絵里奈。今度何かおごれよ」


そう言って、ミっくんはトシを後ろに乗せたまま手を振り帰っていった。


「俺も、お先に失礼します」


その後を続くように、アツシもエンジン音を響かせる。


「じゃあ、俺も帰るわ」

「うん」


この寂しさは、佳祐がいないからなのかな。

それとも、シュンくんと離れたくないから?

好きとか、気になるとか、誰かを想う気持ちがわからなくなっていた。


「あのさ」


そう言って、彼は口を開く。