「中坊の俺らから見た一個上の先輩って、どっか惹かれる部分があったんだよ」


"しかも女だし"と言って、ミっくんは笑う。


番号を聞いたのも、先に好きになったのも先輩からだったなんて。

先輩の気持ちは、私が佳祐を想う以上なのかな。

そんな事を考えながら、ミっくんが話す一つ一つの言葉に涙をグっと堪えた。


「付き合うまでそんなに時間はかからなかったけど、佳祐は色々大変だったよ」

「大変だったって、どーゆう事?」

「マナミさんは男女問わず人気あったから、佳祐を気に入らないって奴が結構いてさ。とばっちりでケンカ三昧だったってわけ」


誰かを守ろうとする佳祐の想いは、多分その頃から強かったんだろう。