目を逸らしたミっくんは、大きく深呼吸をし私に視線を戻す。


「佳祐の初恋の人なんだよ、マナミさん」


心を突き刺す言葉に、今度は私が目を逸らした。


「俺と佳祐って、幼なじみなんだ」

「そう…なの?」


まるで懐かしむように、ミっくんは話し出す。


「あいつ、中学ん時めちゃめちゃ荒れてて、誰も手つけらんなくてよ」

「佳祐が?」


驚く私に小さく頷く。


「でも…マナミさんに会って変わったんだ」


どこか申し訳なさそうに言う彼に、私の気分も何となく落ちる。

二人の出会いは、佳祐の先輩の紹介だったと言う。


「先に声かけてきたのは、マナミさんでさ」


思わず耳を塞ぎたくなった。