「別にいいよ、もう気にしてないし」


それにミっくんやシュンくんの後輩なら、きっといい奴に決まってるしね。


「顔色悪いっすよ」


アツシは"大丈夫ですか?"と、私の顔を覗き込む。


「大丈夫じゃない」


そう言って、もう一度顔を伏せる。


「え、ちょっと待ってて下さい!誰か呼びますから」


アツシは少し焦りながら誰かに電話をかけている。


いいよ、誰も呼ばなくて。


そう思ったけど、もうめんどくさくてどうでもよかった。

アツシは何も言わず隣に座って、本当に来るのかどうかすらわからない"誰か"を待っている。


「おい、大丈夫か?」


一時間もしないうちに聞こえた声に、ひどく安心した。