どれくらいぶりに顔を見たかな。

連絡すらとれなかった佳祐が、少し離れた場所にいる。


思わず嬉しさに顔が緩んだけど、神様はそんなに優しくなかった。

ミっくんが名前を呼ぼうとしたその瞬間、少し後に歩いてきた女性の姿。





「ユキ先…輩」





どうして?

何でユキ先輩が佳祐達といるの?


視線を移せば先輩の隣には、コータくんを追い掛けるように歩く親友。


「マリ…?」


わけがわからなかった。

だって、ただ偶然会ったんじゃないってわかるから。


佳祐の隣を歩き、そっと手を繋ぐのは大好きなユキ先輩。

そして、彼女に優しく笑うのは大好きな佳祐だった。