先輩の涙を見た日から気付いた事。


佳祐と連絡がとれない。


先輩とはあれ以来顔を合わせてないし、マリも相変わらずだったから。

誰かに相談する事さえ出来ない私は、寂しさを抱えながら街をフラついた。


前から歩いてきた集団の一人に肩がぶつかると、威勢のいい声が耳に響く。


「おいっ!テメェどこ見て歩いてんだ!」


そう言って胸倉を掴んできた目の前の男に、今日の私は突っ掛かる。


「そっちこそどこ見てんだよ!」


怒鳴り散らす声は街中に響き、私のまさかの反応に男の力も思わず緩む。


「おい、何してんだよ」


その声に振り向くと、そこには呆れた顔をするミっくんと、心配そうな顔のシュンくんが立っていた。