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あれからすぐタクシーを拾って俊吾の家に帰った。
俊吾が後ろ手に鍵を閉めたと思ったらいきなり、口を塞がれた。
「はぅっ…」
足の力が抜ける…
「わりぃ。続きはお風呂入ってからにしよう。そこの部屋使っていいから、着替えろ。」
「うん。」
部屋着でいいよね? それに、ブラのホック外されてる…もしかしたら、玄関でする気だったのかなぁ?
トントン
「着替えたか?」
「うん。」
「なら、リビングに来て。」
さっきの事があったから、恐る恐るリビングに行った。
「何もしないから、隣座れ。」
自分が座っているソファーを指差しながら言ってきた。
「…なぁに?」
「これ、やる。」
手渡されたのは、鍵だった。
「どこの鍵?」
「この家の鍵。いつでも来れるようにって思って。」
「ありがとう。」
愛の鍵だった。


![叶わぬ恋〜先生〜 [短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre3.png)