「走るなよ。それに確か、そっちにも犬いた気が…」 「ウワッ。ちょ、こっちにこないで…」 また、腰を抜かしてその状態で後ずさり。 「リードで、繋がってるから追いかけてなんかこねぇよ。ほら、立て。」 俊吾に腕を引っ張られ、無理やり立たされた。 「犬いんの知っててここ通ったのか?」 「俊吾いれば大丈夫かと思って…それに、ここのほうが近いの。」 「はいはい。よそ見してると転ぶぞ。」 こんな数mしかない道に二件も犬を飼ってるなんて知らなかったし。 それに、二回も腰抜かすとは…