「また、深刻そうな話して~」
「お母さん。遅いよ。」
「あら、せっかくあなた達2人きりにしてあげたのに。」
お節介だよ。
「結衣の所にも行くんでしょ?」
結衣っていうのは、俊吾のお母さん。
お母さんと一緒で県立病院の看護師をしている。
「行くけど何で?」
「だったら、これ渡してくれない? 前に借りてた本返すの遅くなっちゃってさぁ。」
渡されたのは紙袋。中身はよく分からないけれど雑誌とか色々。
「何も近所なんだから自分で渡しに行けるんじゃないの?」
とかいいつつも、紙袋を受け取った。
「そろそろ行くか?」
「うん。」


![叶わぬ恋〜先生〜 [短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre3.png)