次は、空き教室で自己アピール。
「怖がらなくていい。ありのままの気持ちを伝えてこい。」
「ぅん。」
……
「それでは、自己アピールに移ります。1人ずつ話して行き、説得力のあった方を奏太を含め、他の先生達5名で決めさせていただきます。早速ですが、始めます。先に今野先生からお願いします。」
いよいよだ…。
「はい。私は…」
―私は、本当の母親ではないですが、奏太と一緒に暮らしていくうちに、この子をこれ以上悲しませたくないと思うようになりました。最初の頃は抵抗がありましたが、今ではかけがいの無い、家族の一員でいてくれることに、感謝しています。よろしくお願いします。―
自分の気持ちを、全て伝えた。
「ありがとうございました。では小林先生、お願いします。」
「はい。」
―私は奏太に、本当に悪い事をしたと思っています。離れて暮らしていても、奏太の事を忘れた時は、ありません。よろしくお願いします。―
「ありがとうございました。審査をするので、しばらくお待ちください。」
「俊吾、あのね…コソコソ…いい?」
「そうだな。」
ある事を俊吾に言って、OKを貰った。


![叶わぬ恋〜先生〜 [短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre3.png)