「沙夏、適当に座ってて。紅茶でいい?」

「うん! あっ、お菓子持ってきたから。」


「ありがとう。どうぞ。」

「ありがとう。 まさか春海が、奏太の担任だったとは知らなかった…。」

「私も。あんな感じで再会するとは思わなかった。そういえば、沙夏が探してた初恋の相手って、奏太クンのパパ?」

春海にだけは、言ってたんだ。
初恋の相手を探してるって。

「まぁ…。まさか子持ちだったとは…聞いた時ビックリしたし。」


「でも、それを沙夏が認めたんだから、すごいよ!奏太クン、ずっとママ欲しがってたしね。」

「そうなの?」


でも、言われてみれば…。初めて会ったときから、“ママなって”って言われたっけ。


「うん。母の日にお母さんの絵描くときも、泣いちゃったし…。」

「そうだったんだ…。」


「お菓子あげるお皿出すね。」


人気店のバームクーヘンを買ってきた。