中学校から保育園までそれほど遠くないから、あっという間に着いた。
「保谷です。奏太迎えに来ました。」
「奏太クン、お迎えだよ~」
先生の声で私たちの方を見て、急いで帰りの支度をして走ってきた。
「パパ、ママ~」
「お疲れ様です。今日も元気に遊んでいました。あの、もしかして…沙夏?」
この人、見覚えある。誰だっけ…あっ、
「春海(はるみ)?」
「そうだよ、久しぶりじゃん!!」
春海は高校時代からの親友で、卒業後に学校が別れちゃってから、会ってなかった。保育士になったって事は聞いてたけど、こんな近くで働いていたなんて知らなかった。
「ママ、春海先生の事知ってるの?」
「ママの友達だよ。」
「こんなところでよりも、今度ゆっくり会おう。」
「そうだね。」
「奏太クン、また明日ね~」


![叶わぬ恋〜先生〜 [短編]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre3.png)