リビングには、お父さんとお母さんだけがいた。


「…大体の事は置いておくとして、まずは2人の気持ちが聞きたい。」



「これから沙夏には迷惑を掛けるかも知れません。でも俺にとって、最後の女なんです。」

「私も色々考えた。これから大変かもしれない。でも私は、奏太クンの母親になりたい。」

………

「2人の気持ちは分かった。でもな沙夏、もし結婚して自分の子供が生まれた時、その子供と同じ愛情で奏太クンを育てられるか?」

そんなの答えは決まってる。

「血が繋がっていなくても、私が愛している人の子供なら、同じ愛情で育てられる。」


「そうか。もう何言っても無駄だな。…結婚していいぞ。俊吾、頼んだぞ。」

「はい。」


「その前に3人で暮らさないとダメでしょ。俊クンがよければ今日から一緒に暮らしでもいいわよ。」

「……一緒に暮らしてくれるか?」

「うん!!」


「なら、荷物纏めて来なさい。奏太クンは見ておくから。」