別館の一角にある調理室前。 入るか…

「「今野先生、誕生日おめでとう!!!」」
中に入ってすぐだった。学年の先生みんな居る。
何が起こっているのか分からなかった。けど、涙が出てきた。

「俊吾ぉ~」
私の傍に居た俊吾に抱きついた。
「やっぱり泣いた。よしよし。みんながな、お前の誕生日を祝ってやりたいって言ってたんだ。黙ってて悪かった。今年だけだけどな。」

「ありがとぅ…ございますグスン。」

「いつまでも泣いてないで、早く食べよ。」
目の前のテーブルの上には、私の好きな料理が並んでいる。チキンライスにコンソメスープ、サラダにバースデーケーキまで。

「アレ、仁藤先生は?」
今さっきまで居たんだけどなぁ。
「ちょっとお取り込み中みたいだから、先に食べててだって。」
なら、お言葉に甘えて食べてよっかな。

「いただきます!!」
このチキンライスすごく好きな味付けになってる!!
「味付けどう?」
「好きな味付けになってます!!」
「それはよかった。」