車の中ではお互い無言だった。
俊吾は、信号に止まる度に携帯をいじっていた。

♪♪~♪
えっ、俊吾からメールだ。

――さっきは怒鳴ってごめんな。俺どうかしてた。夜は何もしないから。それと…今日もメッチャ可愛いよ☆――

「俊…んっ。」
「嬉しいんだろ。 着いたぞ。」
「うん。」
図星だった。

「「こんにちは~」」

家の中に入ってすぐ、こっちに向かって走ってくる男の子。
「パパ~」
「お~奏太、大っきくなったな。」
「エヘヘ。パパ、この人誰?」
この子が奏太クンなんだ。

「こんにちわ。私は、今野沙夏。奏太クンよろしくね☆」
「ほら、奏太も。」
「保谷奏太でしゅ。ニコッ」

「いつまでも玄関にいないでこっちにおいで!!」
結衣サンだ。
そう言われて、リビングに入った。
「もう少しで俊也帰ってくると思うから、適当に座ってて。」