ロビーに行くと
放課後にも関わらず
数人の生徒がいた
わたし達を見て
ひそひそ言ってる
もう慣れちゃった
でも
これで2人っきりじゃないよ
谷君
え?ダメ?
「ハルちゃん、何がいい?」
自販機の前で小銭を出しながら
潤が言う
「え!?潤おごってくれるの!?」
びっくりしたわたしに
潤は意外そうな顔
「…こんなんでそんな喜んでくれるんなら
いくらでもおごるけど?」
あれ?
わたし変?
「新鮮だな、ハルちゃんって」
楽しそうに笑う潤
それ
サツキちゃんにも言われたけど
わたしってそんなに変かなぁ
うーん…と考えて込んでいると
「おーい。何飲むのー?」
潤の呼びかけにハッとする
「えっとね…これ!」
わたしが指したのは
砂糖とミルクがたっぷり入ったコーヒー
「げぇっ
そんなん飲めるの!?
てか、お子ちゃまだね~」
「なっ…」
またからかう!
潤はこれ見よがしに
ブラックコーヒーのボタンなんか押してる
「女の子は甘いのが好きなのっ」
悔し紛れに言ってみるけど
ハイハイってなだめながら
甘~いコーヒーのカップを渡してくれた
「ごちそうさまです…」
「どういたしまして」
そして2人並んで
ベンチに座った


