そこへ福岡君がやって来た



ドキ…



って

ときめくな!わたしの心臓



「よかったな~サツキ。

女友達ができて」



「そうなの~超うれしい!」



福岡君はわたし達が座っているベンチの背に手をついて

反対の手でサツキちゃんの頭をグリグリ撫でた



わぁ…

仲良しなんだなぁ



もしかして

付き合ってたりするのかな?



「でもハルちゃん、迷惑んじゃないの?

こんなヤンキーがまわりウロチョロしてたら

ハルちゃんの株下がるもんな」



福岡君がサツキちゃんをからかうように言う



「そんなことないよ!」



わたしは慌てて否定する



二人はわたしが急に大きい声を出したせいか

ちょっとびっくりした顔してる



「あ…あのねっ。

最初はわたしもみんなのこと怖いなって思っちゃったんだけど…」



しどろもどろのわたし



でもこれは絶対伝えなきゃ



「谷君と付き合うようになって

みんなと知り合って

いい人達ばっかりだって知って…

見かけとか噂とかで

人を知ることなんてできないってわかったの。

わたし…

そういうふうに変われたのがうれしいんだ…」



ちゃんと

伝わったかな…



二人とも

さっきと同じ顔



意味わからなかったかな…



心配していると



「ハルちゃん大好き!!」



いきなりサツキちゃんが飛びついてきた



「なんてカワイイ子なの!?

もーっ絶対あたしが守るからっ」



サツキちゃんが

わたしをぎゅうっと抱きしめる



伝わった…ってこと

かな



サツキちゃんの肩越しに見えた福岡君の笑顔も

そう言ってる気がした



それがすごく

うれしかったんだ