走り去る背中を
ぼんやりと見ていた
追うと思っていた谷が
尚もあたしの隣にいてくれることに
救われた
「あたし…ひどいね。
あんな良い子を傷付けて。
ハルちゃん、人を殴ったのなんて、きっと初めてだよ」
自嘲するように笑ってみるけれど
今になって
目に涙がにじんでくる
「せっかく友達になったのに。
あんな良い友達、もうできないよ。
どうして、友達を大事にすることもできないの…」
無邪気な笑顔を思い出そうとするけれど
もう
さっきの冷たい目しか
覚えていない
「ねぇ、どうしてハルちゃんを好きになっちゃったの?
どうしてハルちゃんと出会っちゃったの?」
声が震えて
そのことがあたしをもっとみじめにする
「あたしなんて…最低だよ…っ」
こんなあたしを
抱きしめないでって
言ってるじゃない


