それ以来
約束したわけではないのに
谷と一緒にいることが増えた
夜の街を歩けば
谷に会う
お互いがお互いを
無意識に探していたのかもしれない
「雨宮さぁ、
こんなとこ歩いてたら絡まれるに決まってんじゃん。
怖くねぇの?」
彼らしくない発言に
あたしは吹き出す
「怖いって感情、谷にもあるんだ」
「おれは怖くねぇけど。
女じゃん。何されるかわかんねぇじゃん」
それは彼なりの心配の仕方だった
でもあたしは怖くはない
この前のような目に合っても
それは恐怖という感情と少し違う
「何で、こんなとこに来てる?
淋しいのか?」
淋しい?
あたしが?
それこそ
あたしに欠けた感情だ


