「すっげぇ。うますぎ」
歌い終えたあたしに
無邪気に笑いかけた顔は
いつものクールな印象とは全然違う
あたしの知らない顔が
きっとまだたくさんある
知りたい
でもそんな機会
きっと今日限りだ
電話が鳴って
あと5分でこの幸せな時間が終わることを
告げた
それはあまりに
残酷な知らせに思えた
そもそも
あたしとアイツが関わりを持つこと自体
あり得ないことなのに
あたしはアイツに
恋をした
決して実らない
恋をした
アイツは
やっぱり
ハルちゃんに惚れてる
あんな場面を目の当たりにして
始まったばかりの恋を貫けるほど
あたしは強くない


